約 1,100,817 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5279.html
前ページ次ページ異世界BASARA 松永がイーグル号に乗り込んだ頃…… 「うおらああぁぁぁっ!どけどけどけええぇぇーー!!!」 立ちはだかるレコン・キスタ兵を力任せに吹き飛ばし、ルイズを背負った幸村が港を目指してニューカッスルの城内を駆け抜けていた。 「がんばれよ相棒!あともうちょっとだぜ」 「おう!……っぐ……」 力強く返事をする幸村だったが、受けた傷に痛みが走り、脇腹を手で押さえる。 「相棒!?大丈夫か!」 「……な、なんの。これしきの傷、何ともござらぬ!」 心配するデルフリンガーに幸村は応えた。 「それに、拙者はここで膝をつくわけにはいかん」 幸村は自分の背中で眠っているルイズを見る。 自分の為にデルフリンガーを届け、その結果ワルドの攻撃を受けたルイズ…… 今、自分はそのルイズの命を背負っている。ここで倒れる事は即ち、ルイズの死を意味するのだ。 幸村は歯を食いしばり、傷の痛みをこらえる。 「主の命守れずして……何が武士か!!」 傷口から手を離すと、幸村は再び走り出した。 小さな、それでも勇気と優しさを持った主人を守る為に。 「どおおおりゃああぁぁぁーー!!!!」 扉を蹴破り、階段を駆け下りて、幸村は遂に港に辿り着いた。 だが、そこにイーグル号はなかった。 松永が既に船を出港させてしまったのである。 「な……そんな……!」 「……どうやら間に合わなかったみてぇだな」 「……!!……くそおおぉっ!!」 声を荒げる幸村に対して、デルフリンガーは静かに言った。 と、デルフリンガーは見た事のある2人を見つけた。 「ん?ありゃあヘタレの坊主と爺さんじゃねぇか?」 デルフの言葉に、幸村も顔を向ける。 「ギーシュ殿ではないか!無事でござったか!!」 そこには膝を抱えているギーシュと、ボロボロになって地面に倒れている氏政がいた。 「あ、ああ君か……君も無事だったんだね」 「うむ、手傷は負ったがこれしき何ともない。しかしこれは……」 幸村は倒れている氏政を見て言葉を失う。 その幸村に代わってデルフリンガーがギーシユに問い掛けた。 「ボッコボコにやられてんなぁ、一体何があったんだ?」 「ミ、ミノタウロスがウジマサを……それに見た事ない服を着た男が……」 ギーシュが震える指で指差した先には、見覚えのあるブロンドの男が横たわっていた。 それは、胸を氷の矢で射抜かれたウェールズであった。 幸村は驚いた表情でウェールズに駆け寄ろうとした。 だがその時、階上から怒号が響いてきた。レコン・キスタの兵達がここに近づいてきている…… 「……ギーシュ殿、ルイズ殿を頼む」 と、幸村は背負っていたルイズをゆっくりと地面に降ろして横たわらせた。 「き、君……まさか戦う気なのか?」 「北条殿は動けぬし、お主も戦えんのだろう?ならば、拙者が迎え撃つしかあるまい」 「無茶だよ!相手の数は5万だよ5万!!それに君だって酷い怪我じゃないか!!」 「……たとえ無茶でも、勝ち目がなくとも……拙者はルイズ殿を守る。それが、武士としての務めにござる」 幸村はふらふらと、おぼつかない足取りのまま入り口の前まで来た。 傷口は既に熱を持ち、大量に出血したせいか意識も薄れかけている。今の幸村はとても戦える状態ではなかった。 「結局こうなっちまうかぁ……短いつき合いだったなぁ相棒……」 「戯言を申すな」 「あん?」 「拙者はここで果てるつもりなどない。ルイズ殿もギーシュ殿も北条殿も……拙者が必ず守りぬく」 それを聞くと、デルフリンガーは嬉しそうにカタカタと震えた。 「いいねぇ!それでこそガンダールヴだ!よっしゃ、いっちょやるか!!」 幸村は傷だらけの体のまま、入り口の前に仁王立ちして敵を待ち構えた。 しかしその時…… ゴゴゴゴゴゴ、と足元から轟音が聞こえてきた。 何事か?と、幸村は地面を見つめる。 次の瞬間、地面が勢いよく爆ぜ、何かが飛び出してきた。 飛び出してきたのは巨大な槍……とても常人では扱えぬような槍であった。 「これは、もしや……!!」 幸村の脳裏に戦国最強の男の名が浮かぶ。 「…!!……」プルオォォォン!! 幸村のおもった通り、開いた穴から忠勝がバーニアを噴かせながら現れた。 よく見れば、忠勝の両肩にはキュルケとタバサの姿も見られる。 「嘘!?本当にここにいたわ」 幸村やルイズ達を見て、キュルケが驚いたように言った。 だが、驚いたのは幸村も同じである。 「忠勝殿!それにキュルケ殿も……何故ここに?」 「何故って……あなた達を追ってきたに決まってるじゃない」 「し、しかし、どうやって拙者達の場所を……」 「彼のおかげ」 キュルケとは反対の肩に乗っていたタバサが呟く。 すると、忠勝の背中からバッ、と誰かが飛び降りてきた。 「よぉ幸村!!大事ないか?」 半裸に近い服装に大きな三叉槍……前田利家であった。 「トシイエがあなたの匂いを嗅ぎつけてここまで来たのよ。ホント……犬並の嗅覚ねあなた……」 「おう、それがしは犬千代だからな!!」 利家は胸を張って自身満々に言った。 幸村は呆然とそのやり取りを見ている。 が、しばらくして状況を理解したのか、安堵の笑みを浮かべ……そして ドサッ……と音を立てて倒れた。 「え?ちょ、ちょっとどうしたのよ!?」 突然倒れた幸村にキュルケは慌てる。 (相棒……やっぱ無理していたか……) 「時間がねぇ!ここから逃げるぞ!」 主の手から滑り落ちたデルフリンガーは、カタカタと震えながらキュルケ達に向かって叫んだ。 「逃げるって、任務は?ワルド子爵はどうしたのよ?」 「手紙は娘っ子が持っている!あのキザ野郎は裏切り者だったんだ!」 「いたぞおぉ!!」 デルフが叫んだと同時に、階上から武装したレコン・キスタ兵が現れた。 「タダカツ」 だが、タバサが表情1つ変えずに忠勝に命令した。 忠勝の両肩から砲身が現れ、砲弾が発射される。 砲撃により、現れたレコン・キスタ兵の先陣は吹き飛ばされた。 「見ただろ?敵がそこまで来てんだ!」 状況を察知したのか、キュルケ達は負傷した幸村やルイズ、氏政を忠勝に乗せ、空いた穴から脱出した。 夢を、ルイズは夢を見ていた。 夢の中でルイズは、池のほとりにある小船の中にいる。 うらぶれた中庭にある池…ルイズが「秘密の場所」と呼んでいる所だった。 ――ルイズ殿―― 誰かが自分を呼んでいる。 だけど、ワルドではない。いや、もう自分が憧れていた子爵様は来ない筈だ。 ――ルイズ殿―― では、誰が自分の名を呼んでいるのだろう…… 「ルイズ殿」 ルイズが顔を上げると、そこにいたのは幸村だった。 幸村はルイズの小船に近づき、そっと手を差し出してくる。 「泣いておられたのですか?」 幸村の言葉にルイズは子供のように頷いた。幸村は静かに微笑んで言った。 「泣かないで下され。拙者が、いつまでもルイズ殿の傍におりまする」 トクン……と、胸が高鳴る。 顔が、火のように熱くなる。 ルイズは幸村の差し出した手に手を伸ばし、そっと握り締めた。 ルイズの夢はそこで終わった。 頬に強い風を受け、目を覚ましたのである。 ルイズは自分が、タバサの使い魔の忠勝の背に乗っている事に気づいた。 「……ここは?」 「おぉぉぉ~?気づいたかルイズゥゥゥ~!?」 忠勝の足にしがみついた利家が聞こえるように叫ぶ。 見ると、キュルケとタバサが忠勝の肩に、ギーシュは利家とは反対の足にしがみついていた。 見上げると、空が広がっている。自分は助かったのだ。 ワルドに殺されそうになった時、幸村が助けに来てくれた。 それから自分はデルフを幸村に届けたがワルドの風を受けて……それからずっと気絶していたのだろう。 自分が無事だという事は、恐らく幸村はワルドに勝ったのだろう。 しかし、ルイズは自分の使い魔の姿が見えない事に気づいた。 「ユキムラ……ユキムラは!?」 声を荒げて幸村の姿を探す。 と、ルイズの視線が忠勝の腕の中に向いた。 ――そこで彼女は見た―― ――炎のような色の服が、赤黒い血で染まった使い魔の姿を―― 前ページ次ページ異世界BASARA
https://w.atwiki.jp/gokuen/pages/27.html
ページの名前が変えられんwwww とりあえず自己紹介 病弱な子@もきゅ チャット内 桜御@
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5577.html
前ページ次ページTHE GUN OF ZERO ディス・アストラナガンを見た日の夜は少々びくびくしていたが、クォヴレーが別段普段と変わらぬ受け答えを続けるうちに、ルイズの方もすぐにそれまでと変わらぬ応対をするようになった。 ただ、何かしら理由がない限り、自分の近くでディス・アストラナガンを呼び出さないことははっきりと要求していたが。 そんな、クォヴレーが呼び出されてから初めての休日。虚無の曜日。 「クォヴレー、今日は街に行くわ。付いてきなさい」 いつものように朝の洗濯を終えて戻ってきたところで、着替えを終えたルイズがそう声をかけてきた。 馬に乗るのは初めてだったが、以前チョコボに乗った事があるのが功を奏したらしい。比較的容易に乗りこなすことが出来た。 街の入り口に馬を預けておき、そこからは徒歩で行く。 「ここが、トリステインの首都、トリスタニアよ。トリステインで一番大きな街ね」 「成る程」 この規模の文明社会としてはまぁまぁの大きさだろうと軽く道を見回す。 「それで、今日は何をしに来たんだ?」 「何言ってるのよ。アンタの買い物に来たのよ」 「俺の?」 心底に意外そうな表情をするクォヴレー。 「そ、アンタの服とか。分かんない?さっきから視線向けられてるのは、その変な服のせいでもあるんだからね」 改めて自分の身体を見下ろすクォヴレー。成る程、パイロットスーツはこの中ではかなり浮いてしまう部類だろう。 「そうか、ありがとう、ルイズ」 「な、何よ!別にアンタのためなんかじゃないんだからね!?こういう視線を私の周りから無くしたいだけなんだから!」 「そうか、苦労をかける。済まない」 ツンデレのテンプレktkrな反応のルイズに、真面目に申し訳なさそうな顔をするクォヴレー。 今更だが、素直クールなクォヴレーに、ツンデレのルイズではすれ違いまくりであった。 「……と、とりあえず、まずは朝食よ」 遅めの朝食を終え、二人は古着屋に入る。 古着屋といっても、一般の平民が使うような所ではない。比較的金のある商人や、逆に役人など、ある程度の公的立場に有りながらあまり金のない者が利用する、それなりに質の高い古着を扱う店だ。 多少ほつれたりくたびれている部分もあるが、あて布で破れた箇所を塞いでいたりする平民の服と比べれば雲泥の差だ。 「私の従僕に合う服を探しているのだけど?」 余計な混乱を避けるため、従僕としてクォヴレーを扱う。まぁ、実際そんな扱いなのでクォヴレーもあれこれ口を挟まない。 そしてどこの世界でも女の子は着せ替え人形が好きなもので。 しばらくの間あれを着ろこれを付けろと着せ替えられてしまった末、クォヴレーはルイズがチョイスした、黒いズボンと白い七分袖のシャツ、黒いベストと茶色のブーツを着ていた。 「ほら。あの変な服より、そっちの服装の方がずっと様になっているわ!」 出来映えに気をよくしたらしいルイズが、嬉しそうにしきりに頷く。 (西部劇にでも出てきそうな格好だな……) しげしげと身を包む服を見る。 「何よ。文句あるの?」 「いや、無い。ただ、出来ればグローブも欲しいんだが」 「グローブ?全く贅沢な使い魔ね。そうね……これなんてどうかしら」 文句を言いながらも選んでくれた、手甲の部分が開いている革製のグローブを付ける。 ぎゅっぎゅと手を開いたり閉じたりし、手を握り合わせてグリップも確かめる。 「……良い具合だ」 「服はこれで良いわね」 満足げに頷きながらルイズ。代金を支払い、古着屋を後にする。 サービスして貰ったズタ袋にパイロットスーツを押し込みながらクォヴレーも後を追う。 「さぁ、次は武器屋よ」 「武器屋?何を買うんだ」 「アンタの剣よ」 「剣?」 怪訝な顔をするクォヴレー。 「だが、ルイズ。俺は剣を扱ったことがないし、必要とも思えない」 戦闘用ナイフぐらいならαナンバーズ時代の訓練で使ったことはあるが。剣とはリーチも違えば使い方も異なる。 「どの口が言うのかしら?そんなことを!」 怒りに口の端をひくひくと振るわせるルイズ。往来で立ち止まり、振り返って後ろにいるクォヴレーに指を突きつける。 「アンタの銃が強力なのは判るけど、それを決闘の時みたいにバカスカ撃って、それで今度は壁の修理費を私に払わせるつもり!?」 「…………」 流石に一度やってしまった手前、言い返せない。 「済まない。確かに必要なようだ」 「判ったなら黙って付いてきなさい!」 結構な剣幕で歩くルイズに、人々の流れが若干割れていた。そりゃあ誰だって不機嫌なメイジに積極的に関わろうとはしないだろう。 「そういえば……あの、アストラナガン?だったかしら?」 先日の恐怖体験を思い出す。 「ああ」 「……あれにも、何か武器があったりするのかしら?」 「ある」 とんでもないのが。 「……お願いだから戦いに使わないでよね。あの巨体じゃ暴れられるだけでも厄介なんだから」 「流石に周辺被害は考慮する」 しなければ建造物どころかこの星一つの危機である。 「ホントに頼むわよ?コルベール先生もいつでも助けてくれるとは限らないんだからね?」 若干懇願の色も含めてルイズは言った。 「……ところでルイズ」 「何?」 「古着屋を出た辺りから付けられているようなんだが」 「何ですって!?」 ばっと振り返る。 瞬間、人混みの中、赤い髪が建物の影に入っていった。 「あの髪……」 髪のある位置から推測する背格好からもほぼ間違いあるまい。 「キュルケとタバサだろうな」 「タバサも?何で判るのよ」 「街に来る時にシルフィードで空を飛んでいた。休日だから彼女たちも買い物に行くんだと思っていたが、どういうつもりだ?」 「くっ……」 ルイズが渋い顔をする。 十中八九、自分たちを追っているに違いない。何せ先日も夜出た時に追ってきたくらいだ。 「クォヴレー、撒くわよ」 「了解した」 駆け出すルイズに従い、クォヴレーも歩調を早める。真意は分からないが、ともかく主の命には従おう。だが 「……ルイズ、これでは撒けない」 「わ、判ってるわよ!」 息一つ乱れずに駆けるクォヴレーに対し、ルイズの足は年相応の少女のものでしかなかった。 後ろから近づいてくる二人の影も未だ消えない。 体格的に勝っているキュルケはともかく、ルイズよりも小柄なタバサまでが付いてきているのは、クォヴレーにとって少々以外だった。 (やはり、彼女は見た目通りの少女という訳では無さそうだな……) とりあえず走り出したことで二人がこちらを追っているらしいのは確信に至った。ついでに、主人はそれを引き離したいらしい。ならば 「じっとしていろ、ルイズ」 「え?きゃあ!?」 返事を待たずに、ルイズをお姫様抱っこにして通りを駆け抜ける。 バルシェムといえど純粋な身体能力では、某戦闘民族や流派東方不敗の面々に遠く及ばないものの、体のさばき方に関してはやはり普通の人間の比ではない。 理想的なフォームで効率よく体を動かし、人混みをかき分けてゆく。 ある程度走ったところで角を曲がり、ルイズを下ろし、角から頭だけ出す。 「……撒けたようだ」 しばし呆然としていたルイズだが、ようやく口を開く。 「あ、アンタ足速いのね……私持ち上げながらあんなに……」 何とも的はずれな台詞だったが、クォヴレーはそれ以上に的を外していた。 「いや、実際ルイズは軽いからな。大した負担でもない」 「ふ、ふん。別におだてたって何も出ないわよ!」 「おだて?何がだ?」 「…………」 嫌な沈黙が降りる路地裏。 「……ああ、軽い、というのは女性にとって誉め言葉になるんだったな」 ようやくにして納得したらしいクォヴレー。遅すぎである。 「別に良いわよ……おだてじゃないって判ったもの……」 それでも、何だか釈然としないルイズだった。 「しかし、何故二人を撒こうとした?何かしらたくらんでいるのか?あの二人は」 「え?そ、それは……」 言われてみれば、何故わざわざ二人を撒こうとしたのか……。 「わ、分かんないけど……そうよ!理由は分からないけど、見張られているなんていい気はしないでしょ?そういうことよ」 「それは同感だ」 そういう経験がないでもない。 イングラムのことを知覚していなかった時など、常に思考の裏側に誰か別の意思を感じて、嫌悪感を抱いたものだ。 「さぁ、行くわよ。武器屋は調度ここから辻二つ向こうの筈よ」 ルイズの先導でようやくにして二人は武器屋にたどり着く。 「き、貴族様?うちはまっとうな商売でして……」 これ見よがしに低姿勢になる店主に、むしろ機嫌を悪くするルイズ。これでは何もなくても疑いたくなるではないか。 「客よ」 ぶっきらぼうに一瞬驚いたような顔をしていた店主が、ルイズの後ろに立つクォヴレーに目を向ける。 「この平民に合いそうな剣を探しているの」 「あぁ!左様で!」 ようやく納得したように頷いて奥に引っ込む。 一方のクォヴレーは店内をぐるりと見回していた。 剣、弓、兜、盾etcetc.……一角には銃もあったが、やはりマスケットレベルのようだ。 「最近は土くれのフーケなんて盗賊も出る物騒な世の中ですからね。宮廷の貴族様方でも、従者に剣を持たせるのが流行っているそうで」 そう世間話を織り交ぜつつ、2,3本の剣を持って再び店先に戻ってくる店主。 「ふーん、結構立派じゃない」 しげしげとそれらを眺める。 「へぇ、これなんかは、なんでもかの有名なゲルマニアはシュペー卿の作だそうで。魔法がかかっているんでさ」 「そう……どうかしら?クォヴレー」 「どう、と言われてもな……俺に剣を見る目はない」 「ああ、もう、いいわよ!ちょっと、これはいくら!?」 最も華美な、魔法がかかっているという剣を指さす 「エキュー金貨なら2000枚、新金貨なら2500枚といったところですかねぇ」 「……家が一軒買えるじゃない」 憮然とした表情で唸るルイズ。 本来の歴史では平賀才人治療費に充てられた水の秘薬代がまるまる残っているとはいえ、高い。 「ルイズ、別にもっと安いものでも構わないと思うが」 「な、何よ!これぐらいの値段……!」 「というよりも、そんな大仰な魔法の剣をアテにしなければならない状況なら、ある程度の被害は覚悟の上で銃も使わせて欲しい」 こちらは結構切実に本心だった。 なまじ質の高いものを持たされては、より銃の使用を制限されかねない。それでピンチに陥ってはお笑いである。 「……そ、そうね……あくまで、アンタにとって本命はそっちなのよね……」 「銃、ですかい?それなら……」 「ああ、いいのよ。銃に関しては。もう持ってるから」 別なセールスポイントを見つけたと思っていた店主を軽く一蹴する。 「ハハハハハ!久しぶりに鴨が来たって、足下見ようと思ったら、あっさりとかわされやがったな!」 成人男性のような笑い声が店内に響く。 「何?」 慌てて店内を見回すクォヴレー。自分、ルイズ、店主、やはりそれ以外には見あたらない。 「うるっせえぞデル公!」 「けっ!せこい真似しようとすっからだよ!」 二度目の声で、ようやく声の発信源が判った。 「喋る剣か。珍しいな」 剣の飾られている一番端っこ。比較的目立たないように飾られている、錆びた剣が声を発していた。 「へぇ、これって、インテリジェンスソード?」 「そ、そうでさ。若奥様。誰が始めたんでしょうかねぇ?剣を喋らせるなんて」 「中々に便利だぞ。物持ちが良ければ、人より遙かに多くのことを見聞きする物知りだ」 星辰剣しかり、闇の剣しかりである。前者は無駄口も多いが。 「ほぉ、兄ちゃん。判ってるじゃねぇか。気に入ったぜ、俺を買いな!」 「そうだな……錆びているし、いくらか安いんだろう」 くるりと店主の方を向いて尋ねる。流石に困惑顔だ。 「は、はぁ、そいつなら100エキューで結構ですが……」 どうだ?とルイズの方を向く。 「そ、そりゃあそれぐらいは出せるけど……ホントに良いの?そんなので?一応数打ちものでも他にあるのよ?」 「構わない。どうせ俺は剣を扱ったことがないから、まともな切り方は期待出来ない。ならば切れ味の善し悪しはあまり意味がない」 「おいおい!買えっつって何だが、俺は棍棒じゃねぇんだぞ!?」 不満げに声を上げる剣。 「善処はする。ただ、扱いについて指導出来るところがあればして欲しい。何しろずぶの素人だ」 「かぁーっ、まいいったなこりゃあ……」 困惑したようにぼやく。 (……そういえばクォヴレーってやたら技術習得が早かったわよね) 自ら教えてくれる剣というのがあれば、それこそメキメキと上達するかも知れないと思いつく。 「そうね。あれにするわ」 「へ、へぇ、まいどあり!」 目玉が売れなかったのは些か惜しいが、まぁ厄介払い出来たのだからよしとしようとポジティブに考える店主をよそに、かけられている喋る剣を手に取った。 「……こりゃおでれーた。坊主、お前『使い手』か?」 「使い手?何のことだ」 「……何だったっけかな?」 「…………」 一人と一振りの間に微妙な空気が流れる。 「物知りだと思ったんだがな」 「流石に長く生きすぎて忘れちまったよ。勘弁してくれ」 「扱われ方の指導ぐらいは出来るだろう?」 「まぁな、俺っちはデルフリンガー。これからよろしく頼むぜ、相棒」 「俺はクォヴレー・ゴードンだ。こちらこそよろしく」 店主の出した鞘にデルフリンガーを入れ、あれこれ迷った末に背中に背負うように剣を持ち、ルイズに続いて武器屋を後にする。 「……ちょっと、さっきから何後ろの方をちらちら見てるのよ」 街の外へ向かいながら、しょっちゅう首を振り向かせるクォヴレーにルイズが尋ねる。 「いや、先程店を出た直後にキュルケ達を見つけたんだが……追ってこないな?」 「え?居たの!?」 しきりに首をかしげるクォヴレー。 「どういうつもりだったんだ。あいつらは……」 学院に戻ってから、その答えは知れた。 「はい、ダーリン!私からのプレゼント!」 部屋に入る直前の女子寮廊下。満面の笑みを浮かべながら、キュルケが鞘に収まった剣を差し出していた。 ……要するに、自身に対抗しようとしているらしいと頭を抱えながらルイズは悟る。 しかもそれ、あの武器屋においていたシュペー卿の作ったとかいう剣じゃなかったか。 「ちょっとキュルケ。何のつもりよ」 「何って、私からダーリンへのプレゼントだって言ったじゃない」 更に得意げに胸を張るキュルケ。 「……錆びたインテリジェンスソードしか買えないルイズと違って、私はあの店一番の業物よ?」 「なっ……!何でそれを……!」 「この剣を買うついでに聞いたら気前よく教えてくれたわよ?厄介払いが出来たって凄く嬉しそうだったわ」 今度あの武器屋に失敗魔法をぶち込んでやる、と物騒な決意を固めるルイズ。 一方クォヴレーは差し出された剣をしばし眺めた後、手に取った。 「くれるというのなら、ありがたくいただいて置くが……あまり使う機会は無いと思う」 「え?な、なんで!?」 予想外の展開に驚くキュルケ。ルイズの剣よりずっと良い剣を送ってハートもゲット!の計画だったのだが。 「生憎と俺は剣の扱いに慣れていない。剣を使う時は――インテリジェンスソード、というのか?この喋る剣のデルフリンガーに教えられながら剣を振るうことになるだろうし、二刀流が出来る力量もまた、俺は持っていない」 「おうおう!そいつぁいい心がけだぜ!まぁ、『使い手』の相棒なら大丈夫とも思うけどな、武器として使ってもらえりゃ言うこと無しだ!」 背中のデルフリンガーも嬉しそうにカチカチと鍔を鳴らす。 「……使う時が来るのなら、だが」 「なっ、いきなり不安になるようなこと言うんじゃねぇ!」 「武器は出来れば使わないに越したことは無いだろう」 フッといたずらっぽい笑みを浮かべながら剣とじゃれるクォヴレー。 一方のルイズは、一瞬不利かと思ったが、クォヴレーの言葉に優越感を露わにした。 「まぁ、インテリジェンスソードを選んだ私がいかに使い魔を理解している主人かという事よね?」 形勢逆転。ふふんと勝利の笑みをキュルケに向ける。 くっと悔しそうな顔をするキュルケ。 「ところで……」 肩口から覗くデルフリンガーから、キュルケに視線を移しながらクォヴレーが尋ねた。 「昼間、タバサと共に俺たちを尾行していたようだが、どういうつもりだ?」 「…………」 (こいつ本気で判ってないのかしら) 既にキュルケの気持ちは口頭で伝えたはずであり、しかもこのシュペー卿の剣を出す時に明らかにルイズに対抗心を露わにしていたのだが。 「え?それは勿論、愛しのダーリンを追っていたのに決まってるじゃない?」 「何を馬鹿なことを言ってるのよ!不必要にクォヴレーに近づかないで頂戴!私の使い魔なのよ!?」 そう言いつつ、庇うようにクォヴレーを自分の部屋に押し込む。 押されるがままにクォヴレーは扉を開けて中へはいる。 「それじゃあダーリン、また明日ね?」 ひらひらと手を振るキュルケ。 クォヴレーを押し込むままに部屋に入り、もたれかかるように背で扉を閉め込む。 「っはぁー……」 ふかーくため息をつくルイズ。 「ほぉ、もてるな、相棒」 「生憎と、色恋沙汰には関心が薄くてな」 「またまたぁ、憎いね!このこの!」 もしデルフリンガーに腕があるのなら小突いているところだろう。 「……まぁ、どうとるかは自由だが」 「ちょっと、クォヴレー」 ルイズが両手を腰に当てて、クォヴレーを呼ぶ。 「何だ?」 「今回は、まぁ良いけど、今後キュルケがアンタに何か贈ろうとしても、受け取っちゃダメよ?」 「何故だ?」 「何故って……その……あ、アイツは!アンタを自分のものにしようとしてるのよ!しゅ、主人の私としては!アンタが居なくなったら困るし……」 「……判った。ルイズが不安になるのなら、今後誰かから物を貰うのは控えるとしよう」 こくりと頷いてみせる。 「ええ!そうしなさい!」 使い魔の横を通り過ぎ、ルイズは部屋の奥へ向かう。 クォヴレーは自分が寝るための毛布の置かれている場所に二振りの剣とズタ袋を下ろし、パイロットスーツを取り出す。 「少し早いが、自由時間にさせて貰っても構わないか?」 「そうね……別に用事もないわ。好きにしなさい」 すこし考えるそぶりを見せてから、放逐する。 「何だ?相棒どっか行くのか?なら連れて行けよ!折角退屈な武器屋の店先から解放されたんだ。少しは刺激が欲しいぜ」 デルフリンガーがカチカチと鍔を鳴らしながら訴える。 「着いてきたいのか?まぁ構わないが」 パイロットスーツとデルフリンガーを背負い、クォヴレーは主の部屋を後にした。 2時間後。 クォヴレーと共にハルケギニアを文字通りに飛び回ってきたデルフリンガーは、相棒にこう尋ねた。 「俺、必要か……?」 「アストラナガンを呼び出すスペースがなかったり、銃撃の弾が跳弾しては困る様な場所ではお前に頼ることになる」 「それって、すげー限定的な状況の気がするぜ……」 冷静なクォヴレーの受け答えに、気落ちしながらデルフリンガーはため息をついた。 前ページ次ページTHE GUN OF ZERO
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1451.html
>>back >>next (ここは……?) ぶつけた腰をさすりながらルイズはきょろきょろとあたりを見回した。 次第に暗闇に目が慣れると、がらんとした空間が広がっているのが分かる。 (暗い……。どこ、ここ。何か建物の中なのかしら……?) と、いつのまに現れたのか、ルイズの隣で妖怪が笑った。 『ルイズ嬢ちゃん、おまえさんは「今」に戻ってきたんだよう……』 『といっても、出発してから半日以上経ってるがなぁ~』 「時逆! 時順!」 驚いた声を上げながらも、ルイズは聞きなれた声に少しほっとして胸をなでおろした。 さすがに暗闇に一人放り出されるのはごめんである。 「それで……どこなの、ここ?」 『言ったろう、タルブの村近くの寺院だよう……』 『タバサ嬢ちゃんとキュルケ嬢ちゃんもこっちに向かっているぞぅ~』 「そ、そう。キュルケとタバサが……」 ふう、とルイズは息をついた。時逆がルイズに笑いかける。 『見るべきものは見、聞くべきものは聞いたかい?』 「そうね……白面の者とか、始祖ブリミルとかのことは……でも、まだ肝心のことが全然わからないわよ! ねえ、なんでわたしをこんなことに引っ張り込んだわけ? その……」 勢い込んで言ったものの、ルイズは言葉を詰まらせ、ちょっとうなだれる。 「わ、わたしは……その、魔法も上手く使えないし……。タバサに『法力』を習おうとしたけど、全然上手くいかなかった。 わたしなんかに白面の過去とか見せても仕方ないし……」 なんでわたしこんなことを言ってるんだろう、とルイズは少し自己嫌悪になった。 自分の魔法が下手なのは確かだが、それを克服しようとずっと努力してきたはずなのに、気がつけば自分の口から零れる言葉は弱音ばかりだった。 『それについては、「お役目さま」に訊くしかないぞーう』 『こっちだぞぅ。「お役目さま」は奥で結界を張ってるからなぁ』 ひゅ、と妖怪は寺院の奥へと姿をけした。慌ててルイズも後を追いかける。 寺院の奥には祭壇のようなものがあり、異国風の白い着物を着た霊……『お役目』の女が、ぼうと光を放ちながら浮かんでいた。 『ルイズ……こんなところまで引き回してしまったことを許してください。どうしても、あなたにここまで来てもらわなくてはならなかったのです…… 六十年前にこの世界に来てより、私はこの寺院で結界を張り続けなければならなかった……今も、この寺院はオーク鬼たちに囲まれていますが――』 「オオ、オークが!? そ、そんなあっさり言わないでよ!」 慌てるルイズに、にこりと「お役目」は微笑んだ。 『大丈夫です……それらを寄せない程度の結界なら、霊体の私でも張ることができますから…… 問題は、それらオーク鬼が呼び寄せた婢妖たちの大群……。あれらが到着する前に、あなたにこれを渡さなくてはなりません――』 「お役目」の白い女がそう言うと同時に、ぽ、と祭壇のロウソクに灯が燈った。 そこに突き立てられている長い棒のようなものが、ぼんやりと照らし出されるのを見て、ルイズは、はっと息を飲む。 器物――であるはずのそれから立ち昇る異様な気配に、ルイズの体は小刻みに震える。 (これ――なに……? 槍……なの?) 『六十年――「私たち」はあなたを待っていたのです。この槍をあなたへと届けるのが、私の「役目」……その槍こそが、白面の者を滅ぼすことの出来る唯一の武器。そして――』 言葉を切った「お役目」は悲痛な表情で目を伏せた。 『――そして、持ち主の魂を喰らい、妖怪を滅ぼす槍……獣の槍、です。 ……ルイズ、あなたは選ばなくてはなりません――。この槍と共に白面の者と戦うか否か――ルイズ、あなたが決めてください……』 ルイズは呆然と目の前の槍を見た。 (……白面の者を滅ぼす? わたしが、この槍を使って……? それに――) 「一体、どういうことなの? 『魂を喰らう』って! 魂を食べられたら一体どうなるっていうの!?」 『それは――』 「お役目」が口を開いた瞬間だった。 突如、轟音と共に寺院の天井が破壊され、どっと黒い渦がなだれ込んできた。 『く……もう婢妖が……!』 祭壇のルイズたちを目掛けて突っ込んできた黒い塊は、空中で結界にぶつかり激しく身悶えした。焼け焦げた婢妖の死体がボタボタと落下しては、しゅうと音を立てて消える。 だが、巨大な波のように押し寄せる婢妖の大群は、じりじりと「お役目」の結界を押しつぶしていく。 「な、なによこれ……ッ!!」 『ルイズ! に、逃げて、ください……! 私が食い止めますから……! 「獣の槍」を持って、時逆たちと……安全なところへ……っ!』 ルイズはその場にへたりこんだままぶるぶると震える。動こうにも恐怖に体が言うことを聞いてくれないのだ。 『早く……! この結果も……長くは……もたない――!』 ガクガクと震えながらルイズは立ち上がろうとする。しかし、耳に聞こえてくる婢妖のざわめきにルイズは悲鳴を漏らした。 ――殺せ……白面の御方の御為に……! その娘だ、殺せ――! ――ニオイを覚えたぞ……娘ェ……! 殺してやる、殺してやる――! (な、んで私が……私は……ま、魔法も使えないし……ゼロの、ルイズっていつも言われて、それなのに――) とら、とルイズの口から言葉が漏れた。 そうだ、全てとらを呼び出したときから始まったんだ。 『ゼロのルイズ』のくせに、あの金色で美しく強い使い魔を、呼び出してしまったから―― 自分の力に見合わない、強力すぎる使い魔を呼んでしまったから―― だから…… 『結界が――切れます……!』 ルイズは、きっと空を睨む。蠢く婢妖たちに埋め尽くされた空に向かって、ルイズは叫んだ。 「だから……私を助けなさいよ! アンタは私の使い魔でしょう!? バカとら――――ッ!!!」 轟――ッ!!!! 雷光と轟音が空を走った。稲妻に焼き尽くされる婢妖たちが悲鳴を上げる。黒い婢妖の群れを切り裂くように、巨大な金色の影がルイズの前に現れた。 とら――! とルイズが言おうとしたとき、ぽつりと使い魔が呟く。 「気にいらねぇな……」 「と、ら……?」 パリ、パリととらの毛に稲妻が走り、ざわざわと毛を逆立てる。いつもとどこか様子の違う使い魔に、ルイズはごく、と喉を鳴らした。 ぞぞぞ……と生き残った婢妖たちが集まり、一匹の巨大な妖怪になっていく。ぎょろ、とその目玉がとらとルイズを見据えた。 「まったく気にいらねぇぜ……るいずにそのくそったれな槍を使わせる気かよ――――」 そう言ってとらは「お役目」の女を睨みつける。力を使い果たした「お役目」の体は、光の粒になって次第に消えていく。 『そう――白面の者を滅ぼすために……』 「ふざけるんじゃねぇ……!! それがオメエの言ってた『泥』かよ……ああ――!! ……あんときわしは言っただろうが……。白面を今ぶったおして、まっとうに生きたおめえを喰ってやるってなァ……!!」 とらの言葉に、消えていく「お役目」は微かに笑った。 『そうだねえ……約束、したよね……でも――』 ごめんねぇ、こんな姿じゃ食べられないよねぇ……と言って、女は少し困ったように微笑んだ。 ち、とらは舌打ちした。 「……るいずに槍は使わせねぇ……こいつはわしが守るのよ……オメーも――なんでその槍にいつまでも縛られてやがる……!! 白面がいるなら――」 ――――おォおおおォぉオオ……!! 婢妖が叫び声をあげ、とらに襲い掛かる。 「わしが、ぶったおしてやるって言っただろうがァ!!! マユコォ!!!」 とらの咆哮とともに特大の雷が放たれ、婢妖を砕いた。 >>back >>next
https://w.atwiki.jp/astrogate/pages/5.html
???系 りゅうおう りゅうおう(変身) しん・りゅうおう ハーゴン シドー ジェノシドー バラモス ゾーマ アスラゾーマ デスピサロ サイコピサロ エスターク ミルドラース ミルドラース(変身) ムドー デスタムーア デスタムーア(第二形態) デスタムーア(最終形態) ダークドレアム オルゴ・デミーラ オルゴ・デミーラ(変身) ドーク ラーミア かくれんぼう ??? りゅうおう 詳細を見る りゅうおう? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 120 60 15 243 243 61~99 313 624 312 313 313 313 1~99 568 999 612 568 796 796 りゅうおう(変身) 詳細を見る りゅうおう(変身)? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 60 120 15 60 243 60 61~99 312 624 624 312 313 312 1~99 612 999 879 612 796 612 しん・りゅうおう 詳細を見る しん・りゅうおう? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 240 15 120 15 120 61~99 624 624 624 313 624 313 1~99 879 999 879 673 879 673 ハーゴン 詳細を見る ハーゴン? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 120 480 240 240 240 240 31~60 240 120 15 60 243 15 61~99 313 624 313 312 313 624 1~99 673 999 568 612 796 879 シドー 詳細を見る シドー? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 120 15 60 243 243 61~99 624 624 624 312 313 313 1~99 879 999 879 612 796 796 ジェノシドー 詳細を見る ジェノシドー? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 120 120 240 31~60 60 240 60 60 120 120 61~99 624 624 624 311 313 313 1~99 924 999 924 491 553 673 バラモス 詳細を見る バラモス? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 120 15 15 120 60 61~99 313 624 313 313 313 312 1~99 568 999 568 568 673 612 ゾーマ 詳細を見る ゾーマ? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 120 120 60 243 243 61~99 624 624 624 312 313 313 1~99 879 999 984 612 796 796 アスラゾーマ 詳細を見る アスラゾーマ? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 480 240 240 120 31~60 120 120 60 120 243 15 61~99 624 624 624 313 313 156 1~99 984 999 999 673 796 291 デスピサロ 詳細を見る デスピサロ? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 60 120 120 60 243 15 61~99 312 624 624 312 313 624 1~99 612 999 984 612 796 879 サイコピサロ 詳細を見る サイコピサロ? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 480 480 240 120 240 240 31~60 120 120 240 120 15 243 61~99 624 624 624 313 624 313 1~99 999 999 999 553 879 796 エスターク 詳細を見る エスターク? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 480 480 240 240 240 240 31~60 60 120 120 15 243 243 61~99 624 624 624 624 313 313 1~99 999 999 984 879 796 796 ミルドラース 詳細を見る ミルドラース? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 060 120 120 060 243 243 61~99 312 624 624 312 313 313 1~99 612 999 984 612 796 796 ミルドラース(変身) 詳細を見る ミルドラース(変身)? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 480 480 240 240 240 240 31~60 60 120 120 60 240 240 61~99 624 624 624 312 313 313 1~99 999 999 984 612 796 796 ムドー 詳細を見る ムドー? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 60 120 120 15 243 243 61~99 312 624 624 624 313 313 1~99 612 999 984 879 796 796 デスタムーア 詳細を見る デスタムーア? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 60 120 120 60 243 243 61~99 312 624 624 312 313 313 1~99 612 999 984 612 796 796 デスタムーア(第二形態) 詳細を見る デスタムーア(第二形態)? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 240 240 240 240 31~60 15 120 120 60 243 243 61~99 624 624 624 312 313 313 1~99 879 999 984 612 796 796 デスタムーア(最終形態) 詳細を見る デスタムーア(最終形態)? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 480 480 480 240 240 240 31~60 60 120 120 15 243 243 61~99 624 624 624 624 313 313 1~99 999 999 999 879 796 796 ダークドレアム 詳細を見る ダークドレアム? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 480 480 480 240 240 240 31~60 240 120 240 15 243 243 61~99 624 624 624 624 313 313 1~99 999 999 999 879 796 796 オルゴ・デミーラ 詳細を見る オルゴ・デミーラ? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 240 240 240 240 480 31~60 15 60 120 243 120 240 61~99 624 624 624 313 313 624 1~99 879 924 984 796 673 999 オルゴ・デミーラ(変身) 詳細を見る オルゴ・デミーラ(変身)? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 480 480 240 240 480 31~60 240 240 120 243 15 240 61~99 624 624 624 313 624 624 1~99 999 999 999 796 879 999 ドーク 詳細を見る ドーク? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 240 120 240 120 120 31~60 243 60 120 243 120 15 61~99 313 624 313 313 156 156 1~99 796 924 553 796 396 291 ラーミア 詳細を見る ラーミア? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 240 120 240 120 240 31~60 15 15 240 60 120 15 61~99 313 624 313 312 313 624 1~99 568 879 673 612 553 879 かくれんぼう 詳細を見る かくれんぼう? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 240 120 240 120 240 60 31~60 243 240 15 15 15 60 61~99 313 156 624 311 624 156 1~99 796 516 879 446 879 276 ??? レベル HP MP 攻撃力 守備力 素早さ 賢さ 1~30 31~60 61~99 ???系TOP▲ http //www18.atwiki.jp/astrogate/pages/5.html?
https://w.atwiki.jp/dqm-m/pages/33.html
トップページ ダメ配合 DQM MOBILEはGB・PS版やDQMiと比べて配合のパターンが違うものがある。 MOBILE以外で出来るが、MOBILEでは期待するモンスターの出来ないパターンを挙げる。 ガセネタも書くに越した事はないが、いくらでも書けてしまうので、程々に。 {}内が実際の配合結果 スライム系 スライム+スライム=キングスライム{スライム} スライム系+ファーラット=ホイミスライム{ぶちスライム} スライム系+しりょうのきし=ストーンスライム{バブルスライム} スライム系+マッドプラント=ホイミスライム{スライムツリー} ドラゴン系 プテラノドン+プテラノドン=バピラス{プテラノドン} ドラゴン系+ガップリン=アンドレアル{フーセンドラゴン} ウィングスネーク+モーザ=じゃりゅうせんし{プテラノドン} ウィングスネーク+ライオネック=じゃりゅうせんし{リザードマン} ウィングスネーク+デビルアーマー=じゃりゅうせんし{リザードマン} ウィングスネーク+がいこつけんし=じゃりゅうせんし{ポイズンリザード} グレイトドラゴン+ギガンテス=ギガントドラゴン{バトルレックス} 獣系 ゴートドン+キラーマシン=ストロングアニマル{かまいたち} グリズリー+ダンジョンえび=ストロングアニマル{ミノーン} 獣系+スライム=ユニコーン{ベロゴン} スーパーテンツク+竜系=パオーム{アルミラージ} ベロゴン+マネマネ=スーパーテンツク{スカルガルー} 鳥系 ひくいどり+ドラゴン系=キラーグース{キメラ} 鳥系+ネジまきどり=ヘルコンドル{ミストウイング} 鳥系+ギズモ=ひくいどり{ミストウイング} 鳥系+ゴートドン=ホークブリザード{あばれうしどり} 鳥系+デスソーサー=ホークブリザード{ミストウイング} 鳥系+ライバーン=ロックちょう{キメラ} モーザ+ゴーレム=ロックちょう{ガンコどり} にじくじゃく+りゅうおう=キングアズライル{サンダーバード} シャンタク+りゅうおう(変身)=キングアズライル{サンダーバード} 植物系 植物系+おおめだま=エビルシード{ガップリン} エビルシード+エビルポスト=マンイーター{エビルシード} コハクそう+エビルシード=ひとくいそう{コハクそう} ローズバトラー+ギガンテス=エグラドシル{ガップリン} 虫系 マルチアイ+ストーンスライム=よろいムカデ{おおなめくじ} マルチアイ+ガメゴン=よろいムカデ{キャタピラー} 虫系+フェアリーラット=ヘルホーネット{せみもぐら} キラーシックル+悪魔系=カマキリせんし{おおみみず} カマキリせんし+さまようよろい=さそりアーマー{はさみくわがた} 悪魔系 メドーサボール+ゾンビ系=ギガンテス{スカルライダー} グレムリン+グレムリン=グレンデル{グレムリン} ゾンビ系 エビルスピリッツ+ドラゴン系=がいこつけんし{エビルスピリッツ} マミー+ソードドラゴン=がいこつけんし{エビルスピリッツ} しりょうのきし+しりょうのきし=がいこつけんし{しりょうのきし} マッドロン+キラーマシン=しにがみきぞく{シャドー} がいこつけんし+キラーマシン2=ナイトリッチ{しにがみきぞく} 物質系 ミミック+たまてがい=あくまのつぼ{ブラシこぞう} おばけキャンドル+エビルシード=ギズモ{トーテムキラー} 物質系+スライムボーグ=キラーマシン{おどるほうせき} 物質系+ボストロール=ようがんまじん{あくまのかがみ} 物質系+ずしおうまる=ようがんまじん{あくまのかがみ} 水系 キラーウェーブ+とげぼうず=イルカちょうちん{たこつぼこぞう} クラブマン+エビルワンド=イカずきん{たこつぼこぞう} ???系 ワイトキング+エンゼルスライム=ハーゴン{ゴースト} ミルドラース+デンタザウルス=ミルドラース(変身){ミルドラース} ミルドラース(変身)+キングアズライル=デスタムーア{ミルドラース(変身)} しん・りゅうおう+ドーク=じげんりゅう{しん・りゅうおう}
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/705.html
「魔法少女リリカルなのは」のユーノ・スクライアが召喚される話。 公式 ttp //www.nanoha.com/archive/charactor/yuno.html 更新休止中 魔法少女リリカルルイズ01 魔法少女リリカルルイズ02 魔法少女リリカルルイズ03 魔法少女リリカルルイズ04 魔法少女リリカルルイズ05 魔法少女リリカルルイズ06 魔法少女リリカルルイズ07 魔法少女リリカルルイズ08 魔法少女リリカルルイズ09 魔法少女リリカルルイズ10 魔法少女リリカルルイズ11 魔法少女リリカルルイズ12 魔法少女リリカルルイズ13 魔法少女リリカルルイズ14 魔法少女リリカルルイズ15 魔法少女リリカルルイズ16 魔法少女リリカルルイズ17 魔法少女リリカルルイズ18 魔法少女リリカルルイズ19 魔法少女リリカルルイズ20 魔法少女リリカルルイズ21 魔法少女リリカルルイズ22 魔法少女リリカルルイズ23 魔法少女リリカルルイズ24 魔法少女リリカルルイズ25 魔法少女リリカルルイズ26 魔法少女リリカルルイズ27 魔法少女リリカルルイズ28 魔法少女リリカルルイズ29 魔法少女リリカルルイズ30 魔法少女リリカルルイズ31 魔法少女リリカルルイズ32 魔法少女リリカルルイズ33 魔法少女リリカルルイズ34 魔法少女リリカルルイズ35 魔法少女リリカルルイズ36 魔法少女リリカルルイズ37 魔法少女リリカルルイズ38 魔法少女リリカルルイズ39 魔法少女リリカルルイズ40 魔法少女リリカルルイズ41 魔法少女リリカルルイズ42 魔法少女リリカルルイズ43 魔法少女リリカルルイズ44 魔法少女リリカルルイズ45
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3161.html
召喚や途中経過は省略 朝もやの中ルイズは一人の男の姿を見た。 「やあ、ルイズ今日は良い天気だね」 ギーシュである。 「ギーシュ!ずいぶんと早いじゃない」 前日、ルイズはアンリエッタ姫の密命を受け、ルイズ、ギーシュ、ルイズの使い魔、この三人でアルビオンへ向かうことになった。 「実は、興奮して夜眠ることができなかったんだよ。なにせ、姫殿下直々のご命令だからね」 「あらあら、困った坊やだこと。そんなんで大丈夫かしら?」 ルイズの後ろには長身のお婆さんがいた。彼女がルイズの使い魔である。 「任せてくれ、たとえ命を捨ててでも君たちを守るよ」 「君たちって、どうせ私はおまけなんでしょ?モンモンやケティの次は私のご主人かい?」 「いやいや、勘違いしないでくれたまえ。僕はルイズに手を出そうとはしてないよ。それに、確かに君は僕より強いが、レディを守るのは貴族男子の務めさ」 「まぁ、期待せずに待っているわ。頑張って貴族男子の勤めを果たしておくれ」 こんな、ギーシュと彼女のやり取りを見て、ルイズは笑ってしまった。しかし、こんなやり取りをする二人が、以前決闘までした事を誰が信じるだろうか。 「ルイズは最近、笑顔でいることが増えたね。やはり、涙の似合うレディもいる、怒った顔が似合うレディもいる。しかし、君には笑顔が似合っているよ」 「あら、やっぱり私のお主人を狙っているのかい?」 「今はモンモランシー一筋さ。僕は純粋にレディの笑顔が増えたことに対して、喜びを感じているだけさ。そういえば、君が来てからルイズの笑顔が増えたね」 そうである、今ルイズが笑顔でいることができるのは彼女のおかげである。 彼女を召喚し数日後の夜、ルイズは自分の使い魔に怒りをぶつけていた。魔法が使えなく『ゼロ』と呼ばれ、平民を召喚してしまったことに対する周りの生徒による苦笑。様々なイライラがたまり爆発したのだ。 しかし、そんな怒りをぶつけるルイズに対して彼女はそっとルイズを抱きしめたのであった。 「すまないねぇ、自分のことだけに気が向いてしまって。ルイズちゃんのことに気を使えなかった」 ルイズを包み込む彼女の体は、この上ない愛情に溢れていた。 「私は、貴族じゃないから、そんな重圧は分からなかったんだよ。ほんとにすまないねぇ」 ルイズの頭をなでる手にも、彼女から発せられる声にも愛情がこもっていた。彼女は貴族ルイズではなく、ルイズの本心を優しく抱きしめたのだ。少なくともルイズにはそう感じた。 ちい姉様とは少し違う。年寄りだからこそ持つある種の深みのある愛情がそこにあった。次第に、怒りが収まり頬に熱い何かが伝うのをルイズは感じた。 「なんで!!なんで、そんなに優しいのよ!!あんなに酷いこと言ったのに・・・・・・・なんでそんなに優しいのよ」 「私は、もうお婆さんだからね。若者のワガママや愚痴はある意味年寄りの生きがいなのよ。でも、私はルイズちゃんと出会ってからまだ少ししかたっていないから、ルイズちゃんのこと、まだ分からないことが沢山あるの、できれば私に教えてくれないかい?ルイズちゃんのこと」 ルイズは泣いた。そして自分の思いをひたすら彼女に語った。彼女は黙ってそれを聞いてくれた。振り返ってみるとそのことがきっかけだったのかもしれない。 その後、ギーシュとの決闘、土くれのフーケとの対決。この他にも様々なことを経験した。そして二人の絆はより深くなっていった。 かつては使い魔としておばあさんを選んだ神を恨んだ。しかし、今は違う。こんなにも心優しい使い魔をルイズ本人も愛している。ただ一つだけ悲しいことがある。彼女はもうお婆さんだ。自分より早くに死んでしまう。それだけが、心残りである。 話を戻そう。 ギーシュと彼女はまだ話している。 「君たちの仲の良さは認めるけど、僕とヴェルダンデとの仲も負けてはいないよ。出ておいで、僕の愛しいヴェルダンデ」 ギーシュが地面をトントンと叩くと、地面が盛り上がり巨大なモグラの顔が出てきた。 「あぁ、愛しのヴェルダンデ。また今日も可愛くなって、困ったもんだよ。どばどばミミズを食べたのかい?」 「おや、可愛いモグラさんだこと。こんにちは」 「ねぇ、ギーシュこのモグラを連れて行くわけ?アルビオンには連れて行くことができ無いと思うわよ」 ルイズは気がついた。ギーシュのモグラがひたすらに自分のほうを凝視している。 「おや、珍しいね。ルイズ、もしかして高価な宝石とか持っているのかい?僕の愛しのヴェルダンデは高価な宝石がすきなのだよ」 「一応、持ってるけど・・・」 ヴェルダンデはいきなりルイズに抱きついてきた。 「モグラと戯れる美少女。ある意味官能的だなぁ」 すると、いきなり強力な風が吹きヴェルダンデを吹き飛ばした。 「だ、誰だ!!!」 ギーシュは自慢の使い魔を吹き飛ばされたことに激昂して叫び、杖を掲げた。 すると、朝もやの中に一人の男が現れた。奇妙な事にその男は全身が白で統一されていた。髪も髭もマントも何もかもが白だった。 「僕は敵じゃない。姫殿下より、君たちとの同行することを命じられてね。僕は女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。久しぶりだね愛しの僕のルイズ」 そういうと、ギーシュと彼女を無視し、ルイズに歩み寄った。 ワルド子爵はルイズの婚約者である。しかし、ルイズはもの凄く青い顔をしている。そして、ワルドは気がついてないがギーシュも真っ青だ。 「どうしたんだい?僕のルイズ。婚約者である僕の顔を忘れてしまったのかい?」 「ワルド、何その格好?」 「これかい?前回の任務の依頼主が酷い白好きでね、こんな格好なわけなのだよ。なに、大丈夫だよ、君が望むならすぐに元に戻るように努力するよ」 「まずいわよ」 「まずい?今回の任務には影響は無いと思うけが」 ルイズは思い出していた。ルイズの使い魔が一度だけ豹変したことを、そしてその原因を。 「オールド・オスマンの悲劇」今のワルドとオスマンはある共通点がある。 それが致命的だった。 ルイズはこんな時どうすればいいかを知っている。まず諦める。諦めることもまた勇気だ。そして、神にワルドの冥福を祈るしかない。 昔々、仲のよい一組のカップルがいた。永遠の愛を誓い合った仲だった。女は男と一緒にいられるだけで幸せだった。 しかし、そんな幸せを時代が許さなかった。男は戦争に行ってしまったのである。 女は待った。そして戦争は終わったが、男は帰ってこなかった。女はただひたすらに男を待った。 ただ無事でいて欲しい、そう毎日神に祈りを捧げた。そして、その祈りは通じたのである。男は女の前に再び姿を現した。 「ただいま、ぼくの『愛しの』人」 「おじいさん、心配したんだからね、もう帰ってこないかと思って夜も寝られなかったのよ」 女の目には涙が溢れ出ている。 「ごめんよ、でも帰ってくるさ。『婚約者』を残して死ぬわけ無いだろ?『大丈夫』だよ、もう何処にも言ったりしないよ」 男の声は何よりも優しかった。 「ルォオオオオオオオオオオオオオオオオ」「ジュララララララララララララララララ」 「URYYYYYYYYYYYYYYYY」「KYOOOOOOOOOOOOOOOH」 人とも動物とも取れない凶悪な声がこの森を支配している。 ワルドは一人薄暗い森の中にある湖に隠れていた。 「何故だ何故こうなった」 ワルドは必死に考えた。ルイズが「逃げて」と言った瞬間にルイズの使い魔が襲い掛かってきたのだ。 「おじいさん」と奇声を発していたが、何がなんだかサッパリ分からない。散々逃げ回り今ここにいる。グリフォンや雇った傭兵を時間稼ぎにぶつけた。 しかし、その結果は彼らの悲鳴としてすぐに知ることができた。 何度か魔法を放ったがノーダメージだった。ワルドは自分の強さに疑問を持っていた。 自分は弱い人間だと。しかし、それは違う。彼はスクウェアメイジである。 本人はあまりに必死で気がついていないが、その魔法はかつて最強と呼ばれた『烈風』のそれを遥かに凌駕しでいた。恐怖によって格段とワルドは成長を遂げた。 今の彼ならば、雷撃を放てば万の軍隊といえども一瞬のうちに蒸発するだろう。風を放てば一瞬のうちに山を裸にすることができるだろう。 現に彼は二つの森林を荒野に変えている。しかし、それでもあの化け物はノーダメージ。 「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 「ずぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」 「さぁあああああああああああああああああああああああああああああああああん」 あらゆる方向から奇声が聞こえる。その声はワルドの精神を傷つけていく。 「安心しろワルド、見つかるはずが無い。ここは水の中だ。メイジでなければ、ここには来る事は出来ないはずだ」 しかしその発想は甘かった。 「そこにいたのね、お・じ・い・さ・ん」 何故だか知らないが、彼女がそういい終えると湖の水が一瞬にして蒸発した。彼女得意のラブビームである。 ルイズの使い魔が歩み寄っている。ワルドにはその足音、一つ一つに恐怖した。そして、決心した。このままでは殺される。ならば戦うしかない。ワルドは杖を抜くとルイズの使い魔に向けた。 「覚悟してもらおう、こうなれば僕も本気だ」 「うるさい!!!抱きしめろ!!!!!!強くだ!!!!!!!!!!」 ワルドはこの上無い精神力と詠唱スピードで呪文を唱える。 ワルドはウィンディ・アイシクルを放った。凍てつく氷の槍が敵に飛んでいく。 ミス、ルイズの使い魔はまったくダメージを受けない。 ワルドはライトニング・クラウドを放った。凄まじい雷撃が敵を襲う。 ルイズの使い魔は笑っている。 ワルドはエア・ハンマーを放った。巨大な空気の塊が敵を粉砕する。 ルイズの使い魔は涼しげだ。 「お・じ・い・さ・ん」 ルイズの使い魔はだんだんと歩み寄ってくる。 ワルドは偏在の魔法を唱えた。一個大隊を軽く超える無数のワルドが現れた。 「風使いが最強といわれる理由を教えてあげよう。君もこれだけの偏在からの魔法には耐えることが出来まい」 ワルドの偏在がルイズの使い魔を囲む。 幸せを取り戻したかのようだった。しかし、なぜか男は自分の方に歩み寄っては来ない。 「どうしたの?おじいさん」 「ごめん、今の僕には君の愛が信じられない」 突然のこの言葉を女は予想していなかった。かつて、永遠お会いを誓ったはず。 「なんで!!?なんでなのよ!!?おじいさん。私はこんなにも愛しているのに!!」 「僕は戦争に行っている間ずっと不安だったんだ。君の隣に新しい男が出来たのではないかと不安で夜も眠ることが出来なかった。 そして、君にあった今でもその不安は増すばかりだ。こんな綺麗な女性を黙って見ている筈が無い。だから僕は君を信じることは出来ない」 女の目には凄まじい量の涙が溢れている。 「どうやったら信じられるの?私どんなことでもするわ。だからお願い・・・私を信じて」 男は意を決した表情をした。そして、指を鳴らすと無数の男が現れた。 「どういうこと?」 「この中に一人だけ本当の僕がいる。本当の僕を探してくれ。そうしたら、また僕は君を信じることが出来る」 女にもう涙は無かった。女の顔に浮かぶの決意の表情だった。 「許してくれ、こんなことをしないと君を信じることが出来ない僕を」 「安心しておじいさん、必ず見つけ出すわ」 「その自信や根拠はいったい何処から出てくるのかな?」 「私は貴方を愛している。貴方を見つけ出すのにこれ以上の自身と根拠はないわ」 十人の偏在によるワルドはエア・ニードルを唱え敵に襲い掛かった。 ルイズの使い魔はびくともしない。 「こうなれば最後の手段」 ワルドとワルドの偏在は持てる魔力その全てをつぎ込み、魔法を唱えた。 凄まじい量の魔法が敵に襲い掛かる。 ルイズの使い魔は凄まじいラブパワーを全身から放った。 無数の偏在は放った魔法ごと一瞬にして消し飛んだ。 ワルドは腰を抜かしてしまい立つ事も出来ない。 ルイズの使い魔がだんだんとワルドに近づいていくる。 「待ってくれ、僕が悪かった。白状しよう。僕はレコン・キスタだった。だがもう奴らとは手を切ろう。一時の気の間違いだったのだ。なんなら彼らの情報も差し上げよう。そうすればアルビオンはレコン・キスタに勝利できるかもしれない」 ワルドは必死だ。そして、ルイズの使い魔見た。微笑んでる。ワルドは希望を見た。 「見つけ出したわ、おじいさん」 ワルドの希望は一瞬にして砕かれた。かわりに絶望が目の前を覆う。 「愛してるわ、おじいさん」 ワルドはもう逃げれない。ルイズの使い魔がもう目の前にいる。 「うォおじいさあああああん。KILL YOU!!!!!!!!!!!!!!!!」 その後、ワルドの姿を見るものは誰もいなかった。 ワルドがどうなったかは、成人した人間でも心に深い傷を負う可能性があるので省略します。想像してもイイですが、トラウマになっても作者は一切の責任を取りません。 次回ゼロダマインパクト(犠牲者ビダーシャル)を予定?
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/20.html
>>back >>next 「るいず、オメエ、まだ怒ってんのかよ」 「しししらない!うう、屈辱だわ……まさか学園中で……ははははしたない……」 その日の夜。部屋でルイズは机にその頭を打ち付けていた。果てしない羞恥心に、顔から火がでそうだった。 今なら火属性の魔法が使えるかもしれないわ、などと絶望的にルイズは思う。 ことの原因は、中庭から飛んだときに、あっさり気絶したルイズの足をつかんで、とらが学園を歩き回ったことにある。 おかげで、意識のないルイズはスカートの中を盛大に見せた状態で、学園めぐりをすることになったのだ。 だが、とらに向かって鞭を振るう勇気は、ルイズにはなかった。 (おまけに、あたしを引きずるとらに驚いて魔法を使おうとした先生が、三人もぶっ飛ばされたってどういうこと!?治療費全部わたしもちなの?) こうしてあっという間に「ゼロのルイズは契約した使い魔もろくに扱えない」とのうわさが立ってしまったのだった。 ルイズが無言で机に頭を打ち付けるのを横目に見ながら、とらは月を見上げていた。 (二つの月か……こいつあ、大陸だとしても桃花源やらの異世界かもしれねえな……) さきほどルイズに聞いてみたが、「とりすていん」やら「はるけぎにあ」やらと言われても、とらにはさっぱり意味がわからない。 自分の目で見るのが一番だろうと、とらは判断した。 「るいず、わしはちょっと外を見てくるからな」 「いいいいってらっしゃい。ああ朝には帰るのよ、いい?」 「おう」 そう言うと、とらはするりと壁をすりぬけて夜の外に飛び出していった。ルイズの目は驚愕に開かれるが、深く考えるのはやめることにした。 へなへなと力が抜けて、ルイズはベッドに座り込む。 (まったく……あんなに言うこと聞かない使い魔なんて初めて聞くわよ……) ルイズはそう呟いて、机に頭を打ち付ける作業にもどった。 実際には、うしおが槍を抜いた頃に比べると、とらは信じられないほどおとなしくなっているのだが、ルイズには知る由もなかった。 翌朝。 ルイズが目を覚ましたとき、とらが床に座っていたので、危うくルイズは学園中に響く絶叫をあげそうになった。 だが直前で、それが昨日召喚した使い魔であるとわかり、はしたない叫び声と失神は免れた。 「ととととら。いいい、言っておくことがあるの」 「なんだ、るいず」 「あんた、見た目、怖いから。大きいから。あのね、先生たちとか、生徒、驚いちゃうの。でもね、ぶっとばすの禁止。ぜったい。 『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔です』って言えばね、いいから」 「ふん」 「ああああとね、他の生徒の使い魔、ぶっとばすの禁止。建物、ぶっこわすの禁止。いい?」 とらは頷いた。果たして分かっているのだろうか、とルイズは果てしなく不安になった。 「……ところでだな、るいず、ハラァ減ったんだが」 「そう?もうすぐ朝食よ……ねえ、とら。あなた、何を食べるの?食べ物はなに?」 干草じゃないだろうな、やっぱり。肉はお金がかかるのに、とルイズが考えていると、とらは奇怪な単語を発した。 「てろやきばっかだ」 「てろやき……ばっか?なに、それ」 「知らんのか?うまいぞ」 「聞いたこともないわ……ねえ、それ以外だったら何を食べるの?」 「……人だな。若い娘ならなおうまいのよ」 聞かなければよかった……そう思いながら、ルイズはベッドに倒れこみ、気を失った。 >>back >>next
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/415.html
前ページ次ページご立派な使い魔 結論から言おう。 ルイズの呼びかけに、確かにそれは答えたのだ。 宇宙の果てのどこかから、神聖…なのかはともかく、(ある意味)美しく、強大で雄雄しく凛々しい使い魔が、彼女の呼びかけに答えた。 爆発の向こうに見えた姿は、一見すると巨大な異形だった。 ぼんやりと見える輪郭に一抹の不安を覚えつつも、ルイズは思わず快哉を叫ぶ。 「ほら、見なさいよ! あんなに大きくて、立派な幻獣……が……」 その叫びは煙が収まるとともに消えていく。 煙が消えて、その先に見えた姿は、ルイズの想像を圧倒していた。 「た……確かに、ご立派だ……」 「ゼロのルイズが……こんな、ご立派な……」 「ゼロのルイズじゃなくてエロのルイズだろ……常識的に考えて……」 周囲で見守る同級生も、呻くばかりである。 何しろその煙の先に見えた姿は、これはどう見ても、 「……これはエロい」 モンモランシーの呟きが象徴するかの如く。 どう見てもチン○です。本当に有難うございました。 「グワッハッハッハ! このワシを召喚するとは、小娘、命が惜しくないと見える! ワシは魔王マーラ! お前達とはモノが違うわな! モノが!」 「……いやぁぁぁぁぁぁぁ!」 ルイズの絶望の叫びが、トリステイン魔法学院を駆け抜けた。 ご立派な使い魔 「ミ、ミミミミミミミスタ・コルベール! やり直しを! しょしょしょ召喚のやり直しを! 断固として要求します! 何がなんでも! 私の命に代えても!」 「なんじゃ、失礼な小娘じゃのう」 マーラの渋く低い声を脇において、ルイズは涙目、いや号泣しながら教師のコルベールに食ってかかった。 しかしコルベールは、必死なその生徒の視線から心底気の毒そうに目をそらし、小声で反応する。 「気持ちは……本当によく理解できます、ミス・ヴァリエール。 出来うるものならば認めてやりたい……私の偽らざる本音ですが…… しかし、本当に残念なことに、この使い魔の儀式は神聖なものです。やり直しは…… まことにお気の毒ですが……出来ません」 「で、ででででも! ミスタ・コルベール、いくらなんでも、コレは! コレは! まだいっそ平民が出てきてくれた方が! 平民とFirst Kissから始まる二人の恋のヒストリーを紡いだ方が遥かにマシです!」 「……本当にお気の毒だとは思います」 いつもならルイズを囃し立てる同級生達も、この時ばかりは静かなものである。 というより、男は皆、マーラの威容に己の根本的なナニかが敗北したと感じ、小さくなっていた。 そして女は、両手で顔を覆っている者が多い。だがよく見ると、その指の間からちらちらとマーラを見ている。 誰もがこのマーラの姿から目を離せないのだ。それほどご立派な姿なのだから。 「ミ、ミミミミスタ・コルベール? そ、そそそそれじゃ、ここここれとコントラクト・サーヴァントを行え、と?」 「…………」 非常に沈痛そうな面持ちで、コルベールはまたしても目をそらした。 「残念ですが……」 「グワッハッハッハ! 遠慮せずともよいわ、小娘! 呼ばれたからには遠慮はいらん、さあ! 一発ヤってもらおうではないか!」 マーラの放つ大音声に、ルイズはとうとう顔を向けてしまう。 涙は止まるどころか勢いを増しているが、これはもう、やるしかないようだ。 「あ、貴方は……つ、使い魔になんてなりたくないでしょ……?」 「構わん、構わん。何しろワシは魔王だからのう、ひと時の戯れで使い魔なんぞになるもよし! なぁに、幾たびかは、メシアやらに使役されたこともあるこの身よ! 小娘の使い魔一つ、容易く勤め上げてみせるわ! グワッハッハッハ!」 なんと豪快で男らしく、雄雄しい姿なのだろうか。 これが、こんな形状でなければ頼もしい使い魔と思えたものを…… ルイズは絶望しながらも、コントラクト・サーヴァントの手順に入る。 (もう……もうおしまいだわ、これならいっそゼロのままでよかった…… ああ、私、こんなモノに……ああああああああ) そして、ルイズは己の使い魔となるべきモノに顔を近づけていき。 むちゅう、と。 まさにFirst Kissから始まる二人の恋のヒストリー。 運命に魔法をかけて、ナニが突然現れた。 嫌に肉感溢れる音を立てて、マーラの……その、マーラの唇に自らのそれを重ねた。 唇があったのかというと意外に思えるが、ちゃんと顔っぽい部分があるマーラである。 (な……生暖かい……) 心底嫌な感触が伝わってくる。 それは実際は一瞬だったのだろうが、ルイズにとっては途方も無い永遠のように思えた。 嫌なことをしている時って本当に時間が流れるのが遅いからね。 「ぶはー! ぶは、はあ、はあ……こ、これでいいんでしょ! 契約!」 「ぬう、なかなか大胆な契約だわな……むう!」 マーラの左の方にあるアレに、奇怪な紋様が浮かび上がった。 これこそ契約のルーンであり、激しい熱とともに受けるものなのだが、マーラは微動だにしない。 「おお、心地よい刺激ではないか。これで名実ともに、小娘よ、ワシはおぬしの使い魔という訳だな! 改めて誓おう、ワシは魔王マーラ! 今後ともよろしく頼むぞ! グワッハッハ!」 しかしそう言われたルイズは、マーラから離れ、近くの木によりすがっていた。 そして下を向いて、 「ごえええええ……」 「うぬ、小娘め……第一話からヒロインが吐きよったわ」 「ミス・ヴァリエール……気持ちは、本当に、本当によくわかります……」 コルベールは涙を流しながらそう呟いていた。 「疲れた……もう、何もかも疲れたわ……寝よう、泥のように眠ろう……」 昼の使い魔の騒動から一転、静かな自室でルイズはベッドに横たわっていた。 こんな恐るべき事態になろうとは、誰が予測しただろうか。 あんな……あんなおぞましい使い魔を召喚してしまうだなんて。 「きっとこれは夢。そうよ夢よ。ゼロって呼ばれるのに耐え切れなかった私の精神が、こんな悪夢を作って私を苛んでいるんだわ。 だから目を覚ませばきっと、まだ使い魔は召喚なんてされてないの。 そして私はみんなから笑われながらサモン・サーヴァントを唱えて、平民を召喚するの。 それから紆余曲折あって、第二期が始まったりするのよ。そうよ目を覚ませばそうなる……はずなのに……」 「現実逃避はいかんぞ、小娘。萎えるからのう」 「どうしてあんたは! 私の部屋の中にいるのよ!?」 ベッドの傍に控えるマーラである。 何しろ大きくご立派なので、部屋に入りきるかも怪しかったが、どうにか収まっていた。 しかし冷静に考えれば、一緒の部屋にいる理由がまるでない。 「他の大型の使い魔は、外に寝泊りしてるでしょ!?」 「小娘。ワシは魔王じゃぞ。あんな低級な獣どもと一緒の場所になぞおれぬわい」 「で、ででで、でも! 使い魔なんだからそんなことは……」 「それだけ上等な使い魔ということだわな。誇るがよいぞ、小娘」 「ほ……誇りたくないわよあんたは……」 梃子でも動かない構えのマーラを見て、ルイズはどうにかするのを諦めた。 物理的に動かそうにも、こんなのを触るのは嫌だ。 「じゃ、じゃあ……せめて静かにしててよ、私、もう寝るから……」 「うむ。ワシは寝る前に屈伸運動でもしようかと思うておったが」 「やめて……卑猥な運動はやめて」 身に着けたものをさくさくと脱いで、ルイズは今度こそベッドに潜り込んだ。 脱いだ下着はまだ手の中にある。これを使い魔に洗わせる、というのも、主従を教え込む手段のはずなのだが…… (嫌。絶対、嫌。あんなのに下着を洗われるだなんて、死んでも嫌) 固く決心していたので、明日使用人を呼んで洗わせようと、そう思っていた。 なのだが。 「おお、小娘。丁度良いわ、明日になったらお主の衣類をワシが洗濯してくれようぞ」 「い、嫌! ……じゃなくて、あ、貴方にはそんなの期待してないから!」 「ほほう、何故じゃ? 使い魔というのは、主の雑事を片付けるものではないのか?」 「そ……それは例外のケースよ。普通は主と五感、精神を共有……あんたとはしたくないし、実際してないけど……」 「確かにの」 「そ、それから、秘薬を集める。これは……出来るの?」 「舐めるなよ、小娘。ワシは偉大なる魔王じゃからのう。知識なぞ無限にあるわ」 「そ、そう。安心ね。それから主の身を命にかえてでも守る……これは……まあ、楽勝そうね……」 「うむ、任せておけい」 つまりは、共感の力以外は使い魔として十分にあるのだ、これが。 こんな姿だが。 確かにマーラは、優秀で、強大で、(ある意味)美しい使い魔だったのだ。 「……そ、それだけ出来るんなら、わざわざ雑用なんて頼む必要ないから。 せ、洗濯なんて、し、しなくてもいいわよ」 「まあそう遠慮するでないわ。普段、夜魔どもに身の世話をさせておると、むしょうに細々としたことがやりたくなるのよ。 こんな機会は滅多にないからのう……ワシの厚意は素直に受けるがよいわな」 「い、嫌だって言ってるでしょ!」 「グワッハッハッハ、照れるでないぞ」 「誰が照れるか!」 結局、ルイズは朝方近くまで悶々として眠れなかった。 むしろマーラが、魔王のくせに堂々と眠りこけているのを見て、ルイズは唖然とし続けていたのだが。 前ページ次ページご立派な使い魔